「仕事が合わなかった。」「家庭の事情で。」退職理由をこのように伝える人が多いですが、実際は「人間関係の問題」が本音であることが多いようです。上司・同僚・後輩、様々な人間関係の悩みがあり、下記のようなケースをよく聞きます。
◆仕事が上手くいかない時に、上司がフォローしてくれない。「私のことが嫌いなのではないか」と落ち込んだ。
◆同僚の仕事のサボりを上司に報告し、それがその同僚に伝わり、関係がギクシャクに。
◆後輩に仕事のミスを指摘すると、ふてくされたり言い返されて腹が立った。
これらはあくまで一例。数え上げればキリがないほど人間関係の問題はあります。「転職をしてリセットしたい。」「新たな職場で心機一転働きたい。」その気持ちはよくわかります。
当たり前ですが、人間関係はどの職場でもあるものです。転職したからといって必ず解決するものではないし、いつ同じようなトラブルが生じるかわからりません。まずは今の職場で解決の努力をしてみることをオススメします。2つの方法をお伝えするので、転職を決断する前に一度試してみてください。もし、それでもダメだった場合は、転職を考えればいいのです。
◆人間関係がうまくいかない場合の解決方法:1つ目
職場の上司とうまくいかない場合、さらに上の上司に相談するという方法があります。多くの場合は聞く耳を持ってくれるはずです。職場の人間関係トラ ブルは上司としても出来るだけ避けたいからです。
ただ、直属の上司とその上の上司が繋がっている場合は逆効果になることもあります。直属の上司との関係性はより悪化することになるかもしれません。そこまでやってダメなら仕方がないでしょう。
◆人間関係がうまくいかない場合の解決方法:2つ目
本人に率直に自分の感情をぶつけてみることです。多少子どもっぽく思うかもしれないですが、自分の喜怒哀楽をそのまま伝えることが大切です。意外にも、あっけなく関係が修復されることも多くあります。特に「悲しい」 「嬉しい」といった気持ちを伝えることが有効です。
例えば 1on1 のミーティングの場を設定し、次のように伝えてみましょう。
「●●課長。課長の大変さを知っているのにこんなことを言うのは申し訳ないのですが、私の気持ち
を伝えます。先日相談した際、『忙しいので後にしてくれ』とぶっきらぼうに言われて、すごく悲しい気持ちになってしまいました。」
実は本人は、あなたが抱いた感情に気づいていないケースも多くあります。こうし た気持ちの伝達が、新たな発見に繋がり、関係修復のための対話に発展す ることも珍しくありません。悲しい気持ちになったことだけでなく、不安に思ったこ と、理不尽に感じたこと。こうした人間らしい感情を表に出すことで、相手との距離が近づいたり、誤解がとけたりすることもあります。
日本人は人間らしい感情を表に出すことが比較的苦手です。相手の気持ちや立場・状況を理解してしまい、忖度するからです。これを「大人」だと勘違いしていることが多くあります。お互いが遠慮して何も言わない。すると、お互いにストレスがたまり関係がギクシャクしてしまうのです。やってみる価値はあります。何もせずに転職を決めてしまうことは避けて欲しいからです。