どのような会社であれば身に着けることができるでしょうか。以下4つの観点で見極めることが有効だと考えています。この4つの観点なら、社外からでも比較的判断がしやすいはずです。
■社内外の競争が激しく、成長基調で活気がある
■20代から、チャレンジングで困難な非定型業務を求められる
■性別、国籍、学歴、在籍年数に関係なく、正当に評価される実力主義
■本業の商品・サービスで、自社独自の「主観正義性」を実感できる
■社内外の競争が激しく成長基調で活気がある
その企業が属している市場の競争が盛んであること、社員同士も競争し合い、刺激と緊張感のある環境であること、社内外の激しい競争は、必然的に社員一人ひとりへの要望度を高め、知恵を絞らざる負えなくなります。高い壁に挑み、工夫を重ねることで、成長スピードが加速していきます。
会社の業績が成長基調で、活気があることも重要なポイントです。挑みがいのある仕事やポストが多く生まれるためです。ただし急激に景気が落ち込むような時は、どの会社も減収減益になって当然。アップダウンがあっても、5~10年スパンで見た時に右肩上がりであれば問題ありません。
■20代からチャレンジングで困難な非定型業務を求められる
誰でも比較的簡単にクリアできる仕事では、成長は望めません。20代など若いうちから、実力以上の仕事に挑む機会が与えられる、脳に汗をかくような、創造性が必要な仕事を任されることが重要です。
企業規模が大きいと「重要な仕事を任されるのは早くて30 代後半」という職場も多いですが、力をつけるのには適していません。また、部下に対する要望度が高い上司が多いことも重要なポイントです。管理職が、部下に気に入られるために要望度を下げている環境は望ましくありません。身の丈以上の仕事にも挑戦させてくれる環境があれば、成長のスピードは上がっていくでしょう。
■性別・国籍・学歴・経過年数に関係なく、正当に評価される実力主義
差別なく、正当に実力で評価される会社であることも重要です。どんなに意欲があっても、仕事の成果以外の理由によって不当な評価を受ける環境では、モチベーションを維持したり、新しい仕事に挑むチャンスを得ることは難しいです。
たとえば、仕事ぶりに関係なく、上位校出身ならほぼ確実に課長まで昇進できる学歴主義。年齢や在籍年数で役職や給与が決まったり、30 歳前後まで評価にほぼ差がつかない年功序列。性別や国籍によって評価の偏りが顕著である会社は避けたほうが良いでしょう。
■本業の商品・サービスで自社独自の「主観正義性」を実感できる
「社会的にはまだ問題視されていない事柄を、主観的に課題と捉え、自社なりの正義を主張する。」という考え方を、エン・ジャパンでは「主観正義性」と呼んでいます。「主観正義性」を持つ企業で働くと「世の中のためになる仕事ができている」と実感しやすくなります。
「親友・家族が仮に顧客対象であれば、自社の商品・サービスを自信を持って勧められる」と社員が考えているかがポイントです。応募先の人事からだけでなく、現場の社員の方からも同様の話が出てくるかどうかを確かめてみましょう。
大切なことは、「本業」で主観正義性を感じられることです。慈善活動や文化・芸術支援活動といった、本業と別の形での社会貢献活動もありますが、それはまた違う話。素晴らしいことですが、日々の仕事とは直接関係ないケースが多いです。「日々の仕事につながる本業で」社会的な意義、主観正義性を実感できることがポイントです。
「主観正義性」について述べてきましたが、1 点注意して欲しいことがあります。
理想主義になりすぎないでほしい、ということです。完璧な「主観正義性」を持っている会社はそうそうありません。自分なりの合格点をその会社に付けられるかどうかで判断してみてください。
以上、4つの観点で企業をチェックしてみることをオススメします。楽な環境ではないかもしれませんが、多くの条件を満たす企業ほど「どこでも通用する力」が身につく可能性は高まるはずです。
「先憂後楽」という言葉があります。「先に苦労・苦難を体験した者は、後に安楽になれる」という意味です。キャリアも同じ。若い内に「どこでも通用する力」を身に付ける努力をすれば、後々の選択肢が広がっていきます。迷ったら大変な道を選ぶというのは、意外とバカにならない方法論です。